過去の研究成果
1990年代、日本の研究者達は貝毒研究の分野において、最先端の 研究成果を世界に発信していました。この点に着目した、地球環境等の研究で有名なニュージーランド最大の独立研究機関 Cawthron Institute からの依頼により研究を行い、約 20年間、年に一度研究と交流を兼ねてニュージーランドと日本を行き交いました。まだインターネットが発達していなかっ たため、直接現地まで出向いて意見交換を行ってきました。 そして、世界で初めて神経性毒により貝が毒化すること、その貝を人間が食べた際に食中毒が起きる事を化学的に明らかにし、原因物質を特定しました。(特許化)
また、毒化した貝のむき身が、ごく少量あれば十分に原因物質を検出できる方法の開発も成功しました。
(カリブ海沿岸では、1992年頃~現在もなお毎年のごとく、 神経性の貝中毒が発生している。この問題は世界的な荷物の輸送船、大型タンカーを介して、 世界中に飛び火する可能性が極めて高い。事実、ニュージーランドではこの大規模な貝中毒が突然起き、同国の漁業は大打撃を受けた。この中毒の発症原因が未解決であることから、中毒予防策を確立する研究を展開した)
上記を経て、代謝研究法、ホルモンレベルの超微量物質の分離と分析法、構造決定法等を極め、 ニュージーランドの研究者との交流が生まれました。また生物の生存戦略の巧みさも学びました。
Cawthron Instituteとは・・・ ニュージーランド最大の独立科学組織で、第一次産業における環境と開発を支援する科学を専門としています。主要施設はネルソンにあります。ニュージーランド全土および世界中の地域評議会、政府部門、 主要産業、民間企業、およびその他の研究機関と連携している。 26か国から約300人の科学者、検査技師、研究者、専門スタッフを雇用。化学と微生物学の両方のラボがあり、食品の安全性と輸出認証のための食品関連のテストに重点を置いている。 Cawthronは、さまざまなテストの認定を受けている。その科学者には、水産養殖、海洋および淡水資源、食品の安全性と品質、藻類技術、バイオセキュリティ、分析テストの専門家を含む。